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【コラム】外国人社員の日本語力強化のために必要なこと(研修・実践編)

外国人社員が社内で活躍するために必要なこと、その一つは、その職場・仕事に必要とされる日本語力を習得することです。前回のコラム(該当のURLにリンク)では、会社で求められる日本語レベルの目標設定についてご説明しましたが、今回は、目標の設定をした後に、実際に研修を進める際に必要な情報について考えてみます。

 

日本語学習にかかる時間の目安

はじめに、外国人社員の日本語研修を考える時に、日本語学習にどのくらいの時間がかかるか目安をご紹介したいと思います。

一般的に、最もメジャーとされている日本語能力試験(JLPT)を指標とすると、5つのレベルへの到達について、それぞれ図の通り、おおよその時間がかかると考えることができます。ただし、こちらの指標については注意点があります。日本語能力試験はスピーキング試験が無く、読んで答えるなどの筆記試験のレベルが重視されることになります。よって、漢字圏である中国・韓国・台湾などの国がスコアとして有利となり、それ以外の非漢字圏である、例えば東南アジアや欧米などの方々では、1.5倍~2倍ほどの学習時間がかかると考えられます。

あくまで、社内で必要な日本語(スピーキング・ヒアリング等)の目標設定をしたうえで、カリキュラムを組む際の一つの目安として考えると良いでしょう。

 

実際の研修カリキュラム事例(スケジュール・内容について)

では、実際に外国人社員の日本語研修カリキュラムはどのように組んでいけばいいのでしょうか。とある自動車メーカーの事例を基にイメージをお伝えできればと思います。

まず、こちらのケースでは、海外校からの直接採用で日本語力が全くのゼロからスタートし、7か月で日本語能力試験N5(基本的な日本語をある程度理解することができるレベル)を目標としていました。ただし、カリキュラムを組むうえで、到達目標を明確にしておくことも重要で、このケースの場合、実際の業務自体は英語で行われることから到達目標は日本にきて最低限の日常会話ができるようになる、ということでした。このように、目標と実際の到達目標を明確にし、アプローチをするとカリキュラムも変わってくるため、最初の洗い出しが非常に重要になってきます

そして、研修スケジュールのイメージですが、事例の自動車メーカーでは7か月間のうち、最初の3か月間は来日前の研修として、毎週入門レベルのオンラインプライベートレッスンを50分×3回と、宿題にe-ラーニングを3時間程度設定しています。

残りの4か月間は、入門レベルを身に付けたうえで来日し、初級のカリキュラムと具体的なN5対策のレッスン等を行っていく2段階のスケジュールを組んでいます。

また、カリキュラムとして、日本語能力試験のN5レベルを対策しつつ、到達目標である日常の様々な場面で対応できる日本語や実際の場面で日本人と楽しくコミュニケーションできる、といった内容を踏まえており、このように企業様の目標によって、スケジュール・内容を設定していくことが重要となってきます。

 

日本語力を強化するために必要なことは?

ご紹介した企業の事例では、カリキュラムを組む際に、最初に目標と到達目標を明確にすることの重要性をご説明しました。到達目標を明確にしてカリキュラムを設定することで、実際に外国人社員が現場に配属された時に、想定の日本語レベルに達していなかった、といったギャップを防ぐことができますし、何より企業側・外国人社員側双方で具体的な到達レベルが明確になり、研修がより効率的になるでしょう。

 

日本語力を強化するために必要なことは、このように事前の目標設定の段階から十分な準備を進め、研修を成功させることが重要なポイントとなります。

ただし、実際に求める日本語到達レベルは企業・職場ごとに様々で、初めは漠然としていることが多いため、採用担当・現場間でアウトプットしながら、具体的にどんな場面でどんなことをしてほしいかを挙げていくこと・求める日本語力の切り出しが必要になっていきます。最近では、企業側も「やさしい日本語」といった外国人にもわかりやすい簡易な表現を使って、外国人社員を受け入れるケースも増えてきましたが「コミュニケーション」に本軸を置きレベル感を合わせるといった考え方も是非参考にしてみてはいかがでしょうか。

 

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