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【コラム】 外国人社員を受け入れる際の留意点・心構えとは?

新年度を迎えるこの季節、新たに社員を受け入れる企業・人事担当者は受け入れ準備に忙しい日々を過ごしていることと思います。当社では最近、外国人社員の受け入れに関して、企業・日本人社員はどのようなことに気を付けるべきか、ご相談をいただくことが増えています。外国人社員の入社後のミスマッチは、早期離職に繋がるケースもあり、十分な準備が必要です。

 

そこで今回は、外国人社員の受け入れに関する留意点や心構えのポイントをご紹介したいと思います。

 

■ 外国人社員を受け入れる企業が行うべき、2つのこと

まず、外国人社員を受け入れることになったら、企業が行うべきこととして、「日本人社員に対する研修・ガイダンス」「受け入れ後の定期的な外国人社員とのミーティング設定」の2つが挙げられます。

 

1つ目の「日本人社員に対する研修・ガイダンス」は、①人事担当者 ②実際に配属される部署の上司や同僚 ③管理職・経営者 といったそれぞれの階層・ポジションの研修・ガイダンスの実施が効果的です。研修は、会社全体で共通する内容もあれば、それぞれの階層・ポジションで起こりうる事象を想定して行うものもあります。さらに、外国人を採用することに関して、会社全体でコンセンサスをとることも重要です。例えば、経営陣は外国人を採用することを価値あることと考えていても、実際に配属される現場や採用を担う人事担当者は受け入れ方が分からず、戸惑っている場合があり、また、その逆の状況も考えられます。

その場合、まずは、社内全体・各ポジションで外国人社員の採用・受け入れについて、どう考えているか、合意を得ることがポイントになります。ある企業では、社長がアルバイトだった外国人の社員採用を決定しましたが、採用目的が明確ではなかったため、直属の上司はどのようにコミュニケーションをとればよいかわからず、また外国人側もどのように動けばよいかわからず、指示系統が曖昧で孤立状態になり、結局、離職してしまったというケースがありました。

 

2つ目の「受け入れ後の定期的な外国人社員とのミーティング設定」は、例えば、同じ部署に日本人社員と外国人社員がいる際に、外国人社員が説明や指示をわかっていないことに気が付かず業務を進めていることがあります。その場合、配属後に外国人社員・日本人社員の定期的なミーティングを設定することが効果的です。実際は、入社前の準備だけでなく、外国人社員を受け入れてみないとわからないことも多いため、都度双方が現在考えていることを洗い出し、業務を円滑に進めるための方法を確認することが有効です。外国人社員は自らの意見や考えを発信する場として、日本人社員は外国人社員からのフィードバックを得る場としてもよい効果が期待できます。

 

■ 外国人社員とのコミュニケーションで、日本人社員がやりがちなこと

日々のコミュニケーションにおいても、心構えや理解しておくべき点があります。

まず、外国人社員は多様なバックグラウンドを持っているため、日本人社員が当たり前に思っていることでも、外国人社員にとってはそうでないことがあるので、様々な場面で配慮が必要となります。“日本人と外国人のバックグラウンドは違う”ということを意識しておくことはとても大切ですが、一方で、過度に気を使いすぎて日本的な遠回しな表現を多用し、「YES」なのか「NO」なのか分からず、かえって誤解を生んでしまうことがありますので、ご注意を。

また、日本人は主語を省略して話すことが多く、外国人社員に対してもつい感覚的に業務の指示を出してしまうことがあります。「誰が・いつ・どこで」といった明確な指示を心がけるようにしましょう。

最近では、企業によってはオンラインミーティングの機会が増えていますが、画面上では相手の表情が見えにくいため、言葉が頼りになります。これは外国人に限ったことではありませんが、画面越しでの業務の指示は明確かつ、より細やかな配慮が必要になります。

 

ミスコミュニケーションが頻繁に起こると、高い志を持って入社してきた外国人社員であってもモチベーションが下がり、本来持っている能力が十分に発揮されないまま離職してしまう可能性があるので、小さなことでも見過ごさず、早めに対処することが重要です。

 

■ 本人の希望と異なる配属先になったら、注意すべきこと

また、外国人社員を受け入れる際には、本人の配属先への納得感も押さえるべきポイントのひとつです。たとえ本人の希望と異なる配属であっても、それが今後のキャリアと関連するものであることを理解してもらうために、配属の意図などを丁寧に説明することで、納得感を持って仕事に取り組むことができます。十分な説明を行わずに、本人の希望やキャリア展望と異なる配属をすることは、企業に対する信頼やモチベーションの低下に繋がるため、「なぜこの仕事をやってもらうのか」ということを、日々のコミュニケーションや面談で会社側が言葉に出して話していく必要があります。

 

仕事に対する意欲が高く、明確なキャリアプランを持つ外国人材は、責任のある仕事に就いて色々なことを早く習得したいという想いから、会社に様々な要望をしてくることがあります。会社としては、本人の意欲・モチベーションを削がないように、お互いが納得できるポイントを探し、会社が目標設定してあげることが大切です。

なお、日本の大学や大学院を卒業した外国人留学生たちは、(ジョブローテーションがある)メンバーシップ型とジョブ型の違いを理解・納得したうえで、日本の企業へ就職する傾向にあります。自国での就業経験がないため、日本企業に多いメンバーシップ型も受け入れやすいと言えます。一方、直接雇用や母国で就業経験がある外国人材は、日本の年功序列制度などに納得がいかないこともあるため、会社側が丁寧に説明することが重要です。

 

今回は、外国人社員の受け入れに関する留意点や心構えについてご紹介いたしました。志高く入社した外国人社員の能力を最大限に引き出してあげるためにも、押さえるべきポイントがあります。「リュウカツⓇ」では、理系外国人材の採用サポートや受け入れの際の企業向け研修サービスを行っております。ぜひとも下記の資料をご確認ください。

 

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https://ryugakusei.com/whitepaper/3833/

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