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コロナ禍2年目で外国人採用に変化!? コミュニケーションの課題感から採用基準見直しの動き

理系外国人留学生の人材紹介を強みとする株式会社オリジネーターが運営する「リュウカツ®」は、2006年の事業開始以来、日本企業のグローバル化をサポートしております。弊社が発行する『リュウカツニュース』は、理系外国人留学生の日本における採用動向等を伝えるレポートです。Vol.7では、コロナ禍が続く中、外国人材を活用する企業においてどのような変化が起きているのか、現状を解説いたします。

  • 外国人材の採用で日本語力の基準を見直す企業が増加

近年、企業のグローバル化やダイバーシティの広がりにより、日本で働く外国人の数は右肩上がりで増加してきました。厚生労働省の資料によれば、外国人留学生が就職時に取得する在留資格「専門的・技術的分野の在留資格(技術・人文知識・国際業務ビザ)」を持つ労働者も10年で3倍以上に伸びています。

外国人材を受け入れる企業が増加したことに伴い、入社後の外国人材をうまく活用できないという課題に直面する企業も増えてきました。

課題は様々ですが、やはり多く聞かれるのは、職場におけるコミュニケーションの問題です。その要因のひとつとして、コロナ感染拡大による環境の変化があげられます。例えば、「オンライン面接のみで採用した人材が、入社してみると期待した日本語レベルを大きく下回っていた」とか、「職場でのリアルなコミュニケーションでは問題がなかったが、リモートワークになったとたん、業務上で支障が出てきた」といったケースです。

日本語力はもともと、外国人材の採用時、常に上位となる必須条件の一つです。争奪戦となっている理系外国人留学生については、一時期「テクノロジー分野の専門職については英語ができれば日本語力はそれほど高くなくてもよい」とする企業もありましたが、その状況にも変化が出てきています。実際、採用時に求める日本語力の基準を上げたり、日本語能力試験(JLPT)などの公的な試験の結果だけでなく、実質的なコミュニケーション力を測ったうえで採用する企業が増えています。

  • 日本語教育等、外国人材受け入れ後研修のニーズが、前年度比2.3倍に!

これから採用する外国人材については、採用時の日本語力の基準を上げることで対策することができますが、既に入社している外国人材とのコミュニケーションの課題は残ります。そこで、既存外国人社員向けの教育のニーズも高まってきています。

当社では、日本語教育等、外国人材受け入れ後関連の研修も行っていますが、その受託額の合計が、2019年度(2019年9月~2020年8月)と2020年度(2020年9月~2021年8月)との比較で2.3倍となりました。

教育に限らず、外国人にとってわかりにくいと言われる人事評価制度を見直し、再構築する動きも出ています。外国人材の受け入れが進む中で、企業側も外国人材活用のための様々な対策を検討する段階に入ってきたと言えるでしょう。

  • 日本人側のコミュニケーションにも課題

ここまで、外国人材とのコミュニケーションの課題解決のために、日本語の採用基準を見直したり、入社後の研修に注力するといったケースをご紹介してきましたが、それだけで本当に課題は解決するでしょうか。企業の担当者に詳しく話を聞いてみると、実は、受け入れる日本人社員側の対応改善が必要なケースも多いことがわかります。そういったニーズを受け、最近は日本人社員向けの研修を導入する企業も出てきています。

当社が実施した「日本で働く外国人社員の就労環境と転職に関するアンケート」(21年7月発表)で、「日本で働いてみて不満に思ったこと・がっかりしたこと」を聞いたところ、「日本語ネイティブでないことへの配慮が不足」という回答が理系外国人社員の3割以上(33.3%)に達していました。

特に、コロナ禍では、リモートワークで日本人同士でさえコミュニケーションが取りにくい環境下で、日本語ネイティブでない外国人が苦労している姿は容易に想像できます。オンラインでのミーティングは、30分~1時間といった限られた時間の中で効率的に議事を進めていくため、対面で行う会議に比べると相手の表情の変化をとらえたり、わからない部分を確認するタイミングをつかむのが難しいものです。日本人の言っていることがわからないまま、次々展開される会話についていくだけで精一杯となり、理解不足のまま終わってしまうこともあるでしょう。

日本人社員側も、こういった状況に配慮し、理解しているかどうか都度確認するなど、丁寧なコミュニケーションをとることで、誤解やミスなどを避けることができます。外国人材の能力を最大限引き出すためには、外国人側だけでなく、日本人側の努力も必要であると言えます。 

<参考> 日本人社員向け ~外国人材とのコミュニケーションのポイント~

【1】「誰が・いつ・どこで」明確な指示を心がける
外国人であることに配慮せず、早口で話したり難しい言葉を使うことで、仕事上のコミュニケーションに支障が出てしまうことがあります。また忙しい時は、主語を省略して話してしまいがちなため、曖昧な指示にならないよう、「誰が・いつ・どこで」といった誰にでもわかる明確な指示を心がけるようにしましょう。

【2】オンラインでは、より丁寧なコミュニケーションを
オンラインミーティングでは、相手の表情が見えにくいため、理解しているのか・理解していないのか判断がつきにくい時があります。相手の理解度を確認しつつ、より丁寧なコミュニケーションが必要になります。

【3】語学力とコミュニケーション力は違う
日本語の文法ができるからといって、コミュニケーション力が高いとは限りません。普段から声をかけるなどして、話しやすい環境を作ることが大切です。特にオンラインミーティングでは、業務の話だけではなく、雑談など余白の部分も意識的に設けるようにしましょう。

 

【会社概要】株式会社オリジネーターhttps://originator.co.jp/
[代表者] 代表取締役 長谷部 裕樹
[設立] 2001年12月 [資本金] 1,000万円
[所在地] 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-19-12 monparte北参道6階
[主な事業内容] 外国人材採用支援事業『リュウカツ®』https://www.ryugakusei.com/
[事業許可] 有料職業紹介事業許可番号 13-ユ-300900 一般労働者派遣事業許可番号 般13-ユ-302460

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