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外国人留学生採用の“今”を伝えるリュウカツニュースVol.2

「リュウカツニュース」は、理工系の外国人留学生の人材紹介を強みとする株式会社オリジネーターが発行する外国人留学生の日本における採用動向を伝えるレポートです。

近年、日本企業による「グローバル採用」が広がっています。企業によって、その定義は少しずつ異なりますが、“外国籍人材を日本あるいは海外で採用する”という点は共通しています。彼らが日本企業で活躍するためには、どの程度の日本語力が必要なのか。企業としてどのような教育を実施していくべきか。2006年の事業開始以来、13年にわたり外国籍人材の就職支援に携わってきたオリジネーターは、語学領域における習慣化をテクノロジーで支援するWizWeと共催で、企業の採用担当者を招き、『外国籍人材に必要な日本語レベルと教育の勉強会』を8月上旬に実施しました。その主なポイントをお知らせします。

<グローバル採用の外国籍人材に必要な日本語レベルと、教育のポイント>
● 携わる職種によって求められる日本語レベルは変わる。顧客と接する職種ほど高いレベルが必須。
● 使用言語に関わらず、社内の「共通言語」を共有することが大切。
● なぜグローバル採用を行うのか? 採用目的の明確化と中長期のキャリアプランの提示は必須。
● 仕事を任せるためにも、日本語力とコミュニケーション力の教育は必要。

1.職種によって求められる日本語レベルが変わる

一般的に、理系よりも文系に求められる日本語力が高い傾向にありますが、これは主にお客様に接する仕事か否かという観点によるものです。営業職やサービス業の店舗関連職、コンサルティングなどはお客様との折衝やクレーム対応が必須であり、適切な敬語や言葉遣いが求められます。特に高単価商品を扱う仕事では、ネイティブレベルでないと務まらないというケースが発生しています。
一方、理系の職種では、社内・社外を問わず共通の用語を持ちやすいこともあり、文系の職種ほど高い日本語レベルを求められません。ただし、社内用語や専門用語の用語集を作るなどの工夫が求められます。理系の場合、英語のサポートがある環境では、N2レベル(中級)に達していなくても業務をスムーズに行っているケースもあります。ただしその場合でも、最低N4レベル(初級)の日本語の基盤を作ることが非常に重要です。

職種別 採用時において、最低限
必要な日本語レベル
到達目標の
日本語レベル
文系 営業、店舗管理、
内勤事務管理職、
コンサルティング
日本語能力試験
N2(中級)
日本語能力試験
N1 (上級)以上
理系 製造関連の技術職
ITエンジニア
日本語能力試験
N4(初級)
日本語能力試験
N2(中級)

2. 受け入れにあたっての重要なポイント

【1】社内の「共通言語」

日本語レベルの目標設定を「N2」などにすると、研修の際にN2の試験で出る用語を重点的に勉強することになります。しかし、実際の仕事ではあまり使わない用語もあり、N2レベルに到達したからと言って仕事がスムーズにできるとは限りません。
前項の社内用語・専門用語の用語集にも関連しますが、社内の「共通言語」をしっかりと共有することが大切です。業界特有の難しい用語や、社内独特の略語などは、どんなに高い日本語能力を持っていても外から採用された人材には理解できないものです。

【2】漢字はハードルが高い

漢字力を補う周囲の配慮も必要です。流暢に会話ができる人でも漢字が読めるとは限りません。メールの漢字が読めなくて返事ができず、送信した人との関係が悪くなってしまったという事例もあります。文書やメールではわかりやすい日本語の表記が必要です。

【3】グローバル採用の目的は何か?

なぜ外国籍人材を採用するのか、何を期待しているのかを明確にすることが必須です。「外国籍人材を採用すること」が目的になってしまっているケースでは、採用した側も本人も中長期のキャリアプランを描くことができず、結果として早期の退職に繋がってしまっています。

【4】語学力とコミュニケーション力は違う

特に理系人材はルールを学ぶことに長けていて、日本語の文法も早く覚える傾向があります。一方、文法ができるからといってコミュニケーション力が高いわけではありません。完璧主義で文法を気にしすぎ、間違った日本語を使いたくないために、完璧な日本語が話せるまで一切日本語を話さないこともあります。そのような態度は孤立に繋がりかねないので、周りが声をかけるなどして話しやすい環境を作ることが必要です。

【5】能力開発の観点でも、日本語力とコミュニケーション力は必須である

人材の能力開発は、責任を持つ仕事の大きさや質で規定されます。日本語ができないと、そもそも仕事を任せてもらえないという状況も発生します。社内で適切なコミュニケーションがとれるだけの日本語力と、信頼関係を築けるコミュニケーション力を獲得するための教育が必要です。

[参考データ]

 

■■■【お知らせ】 好評につき、初の大阪開催決定!■■■
外国籍人材採用・日本語教育に関する勉強会
「各業界・職種に求められる日本語レベルと適切な日本語教育」について

対 象: 外国籍人材の採用に関わる企業の人材担当者など
日 時: 2019年10月10日(木)15:00~17:00
場 所: アットビジネスセンター大阪梅田 907号室(大阪市北区曽根崎新地2-2-16 西梅田MIDビル7階)
※西梅田駅 徒歩1分、北新地駅 徒歩1分、大阪駅 地下で直結
申 込: info@originator.co.jp
(社名・部署名・氏名・Eメール・電話番号・10/10セミナー参加と記載し、送信)

レポートの内容に関するお問合せ、ご取材のお申込みなど、お気軽にご連絡ください。

レポート執筆者:株式会社オリジネーター 取締役 専務執行役員 工藤尚美

リクルートグループ企業にて企画開発、営業職として勤務後、日本語教師を経て、日本語教育機関の語学事業部・国際事業部長とし て、外国人材への教育に国内外で携わると共に、留学生募集に従事。 2006年より企業向けの外国人材採用支援・留学生を中心とした 外国人材就職支援事業を開始。外国人材採用コンサルティング やグローバル研修等、「高度外国人材の採用・育成活用」をキーワードに、多岐にわたり企業向け採用サポートを手がける。

株式会社WizWeについて

語学領域において習慣化をテクノロジーで支援する事業を展開しています。日本語、中国語、英語の3つの言語において距離と時間の壁を越えてリーズナブルな費用で高い成果を出すプログラムを提供しています。

[代表者] 代表取締役社長 森谷 幸平
[設立] 2018年5月
[資本金] 8195万円
[所在地] 東京都千代田区麹町4-8-8 麹町高善ビル5階
[主な事業内容] 人がやり抜くことを実現する仕組み『Wiz Heart』の企画・開発・提供、遠隔地日本語教育
[ウェブサイト] https://wizwe.co.jp/

株式会社オリジネーターについて

2006年より企業向けの外国人材採用支援・留学生を中心とした外国人材就職支援事業を開始。外国人留学生就職情報サイト『リュウカツ』※は、理工系外国人留学生の採用支援を強みとしており、外国人留学生・教育機関(主に大学)・企業の人事担当者の三者と連携を取りながら、外国人採用トータルサービスを提供しています。

[代表者] 代表取締役 長谷部 裕樹
[設立] 2001年12月
[資本金] 1,000万円
[所在地] 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-19-12 monparte北参道6階
[主な事業内容] 外国人材採用支援事業 https://ryugakusei.com/
[事業許可] 有料職業紹介事業許可番号  13-ユ-300900
一般労働者派遣事業許可番号 般13-ユ-302460
[ウェブサイト] https://originator.co.jp/

※『リュウカツ』に登録する留学生は、高い日本語力と理工系学生が多いことが特徴です。留学生全体のうち理系学生の占める割合は14%(2018年 JASSO発表データ)にとどまりますが、リュウカツ登録者では31%にのぼります。日本語力でも、JLPT (日本語能力試験) N1認定が45%、N2認定が40%と非常に高くなっております(2019年5月時点)。

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