【プレスリリース】オンラインインターンシップに参加経験のある理系外国人留学生へヒアリング調査~オンラインインターンのメリット・デメリットが明らかに~
コロナ禍でリアルな就職活動が中止となり、オンラインでの情報収集・就職活動が中心となる中、当社では留学生の企業オンラインインターンシップのサポートを行い、参加する理系外国人留学生も増えています。そこで今回配信する「リュウカツニュース Vol.9」では、実際のオンラインインターンシップに参加した、理系外国人留学生へのヒアリング調査(2021年11月実施)の結果を紹介し、オンラインインターンをどのように捉えているかについて明らかにします。
- ヒアリング調査結果 まとめ
●オンラインインターンの良かった点
・興味のある企業に何度も参加することができ、担当者と密にコミュニケーションがとれた
・地方の学生は、リアルだと交通費や移動時間がかかるが、オンラインだと気軽に参加できた
●オンラインインターンの残念だった点
・グループディスカッションの時に、質問ボタンで社員の方に相談できるシステムがあったが、社員の方が少なかったため、なかなかグループのオンラインルームに入ってきてくれなかった
・興味を持った研究員のオンラインルームに入って話す時間があったが、1つのルームにしか入れなかった。研究内容によって業務内容が異なるので、多くの人の話が聞きたかった。
●オンラインならではの工夫
・オンライン工場見学や現場見学で、製品の生産プロセスや実際の建設現場を見せてもらい、理解が深まった
・オンラインで職場環境を見せてもらい、自分がそこで働いているイメージがわいた
・事前に数種類の香りのサンプルが送られ、インターン当日にリモートで香りの体験ができた
●その他:企業選びで重視する点
・日本語の中でも特に敬語が難しいため、日本語の研修が受けられる企業
・企業と一緒に自分も成長できるかが重要なので、「研修体制」がしっかりしている企業
- 【就活サポートの現場から】株式会社オリジネーター 取締役 専務執行役員 工藤尚美
新型コロナウイルス感染拡大の影響で、2020年はインターンシップを中止する企業が目立ちましたが、2021年は形式をオンラインに切り替えて実施する企業が増えました。コロナ禍の採用活動で学生との接点をより多く持つため実施する企業が増えたと考えられ、オンラインのメリットを活かし、場所や人数を問わず募集し、地方の学生でも参加しやすいのが特長です。
日本での就職を希望する外国人留学生も、コロナ禍でリアルな就活イベントが中止となり、情報収集が難しい状況に陥っています。就活がオンライン中心になったことで、従来よりも主体的に動くことが求められ、早めの情報収集を意識したり、インターンシップへの参加意欲が高い理系外国人留学生も多いことが、当社アンケート調査(2021年12月発表、https://ryugakusei.com/news/6388/)からもわかります。
- オンラインインターンに参加した理系外国人留学生へのヒアリング調査 ①
エヴァン ウィリアム チャンドラさん [インドネシア]
●大阪大学 大学院基礎工学研究科 博士課程(2022年9月卒業予定)
インドネシアの大学を卒業した後、留学のため日本へ。
大学では数学的モデリングを学び、自然の現象を理解するため、数式モデルを使い、事象の予測を行っていた。最近は新型コロナウイルスの感染分布などを研究している。
●オンラインインターン参加実績
・A社:グローバルな総合防災ソリューション企業(1日、約30名)
・B社:食料業界で幅広く活躍する計量包装の総合機器メーカー(半日×3回、1回あたり約30名)
Q.卒業後の進路はどのように考えていますか。
A.卒業後は日本での就職を考えています。
Q.日本での就職を希望される理由は何ですか。
A.文化の違いやコミュニケーションに不安はありますが、それ以上に、日本の製品やサービスの技術を学んで自分の能力を高めたいという思いが強いです。
Q.オンラインインターンに参加した理由を教えてください。
A. 今回、日本企業のインターンに参加したのは、企業のビジネスを把握するためです。また、自分の専門分野以外のことも勉強して視野を広げたり、コミュニケーションスキルを上げることも参加理由のひとつです。
Q.オンラインインターンでは、どのようなことをしましたか。
A.A社では、オンライン工場見学があり、製品の生産プロセスが見られて良い経験になりました。また、ケーススタディでは、製品設計と生産プロセスにおける労働力やコストの最適化についてグループで考えました。最後に先輩社員との座談会があり、今後のビジネス展開やSDGsについて深い話を聞くことができました。
B社では、製品の設計図をもとに、機械の使い方や生産プロセスを詳しく説明してもらい、工場の機械で効率よく大量生産する工程と、家庭で料理を作る工程の違いに興味を持ちました。先輩社員との座談会では、残業時間や上司との関係など聞きにくいことも質問し、正直に答えてくれたのが良かったです。
Q.オンラインインターンに参加して、良かった点は何ですか。
A.国籍にかかわらず、個人として見てくれたので、話しやすくコミュニケーションがとりやすかったです。今回、異なる業界のインターンに2社参加したことで、視野が広がりました。
Q.オンラインインターンに参加して、残念に感じた点は何ですか。
A.コロナ禍でなければ、実際の工場や機械をぜひリアルで見てみたかったです。コロナ禍で2社ともオンラインでしたが、機会があれば、オフィスビルで1週間くらい実際の業務を体験するリアルなインターンをやってみたかったです。2022年は、企業説明会などリアルなイベントに参加したいと思っています。
Q. 企業選びの際に重視している点は何ですか。
A.就活で企業選びの際に重視していることは、「研修体制」です。企業と一緒に自分も成長できることが重要だと思っています。さらに、「多様性」も重視しています。働き方だけでなくビジネスにおいても、企業の製品やサービスが将来広がる可能性があるかを見ています。海外展開をしている企業にも魅力を感じ、企業のホームページなどで、どのような海外プロジェクトに取り組んでいるかを調べています。
なお、私が考える“外国人が働きやすい職場”とは、「柔軟性」と「多様性」です。お互いの文化の違いを理解し、歩み寄ること。そして、国籍で判断するのではなく、人間性やスキルをもっと見てほしいです。日本の企業でそういった意識が浸透すれば、外国人だけでなく、日本人も働きやすい職場になると思います。
- オンラインインターンに参加した理系外国人留学生へのヒアリング調査 ②
ビーナムロンさん [カンボジア]
●福井大学 大学院1年生 工学研究科 建築土木環境工学コース(2023年3月卒業予定)
カンボジアの大学で建築を勉強した後、日本の建築を勉強するため、国費留学生として来日。高層オフィスビルの自然換気の最適化などについて研究。
●オンラインインターン参加実績
・C社:大手ハウスメーカー(3時間、約40人)
・D社:大手ハウスメーカー(2日間、約30人)
・E社:土木系ゼネコン(3~5時間×複数回、1回あたり約10人)
Q.卒業後の進路はどのように考えていますか。
A.卒業後は日本での就職を希望し、5~10年経験を積んだ後、母国で建築関係の仕事をしたいと考えています。
Q.オンラインインターンに参加した理由を教えてください。
A.今回、建設業界の中でもゼネコンやハウスメーカーなど、自分は何に興味があるのか、企業研究や職業理解をするために、数社のインターンに参加しました。
Q.オンラインインターンでは、どのようなことをしましたか。
A.C社では、企業や事業内容の説明後、5人くらいのグループに分かれて、集合住宅のビジネスについて、どうすればその土地に魅力的なアパートを建てることができるかディスカッションしました。参加者はみな日本人だったので、自分の意見が言えるか心配でしたが、コミュニケーションをとることができました。
D社では、初日に業界・企業説明、プレゼンのやり方など1時間半の講義があり、その後、住宅設計の課題が出されてグループディスカッションをしました。2週間後の発表に向けて、グループの人たちとオンラインでやりとりし、プレゼンボードや図面・パースを作成するのは結構大変でした。
E社では、1回目は業界研究(3時間)、2回目は自己分析セミナー(5時間)、3回目以降は、設備・設計職や建築職など職種ごとの説明会がありました。バーチャルの現場見学もあり、体育館の建設現場を見せてくれました。
Q.オンラインインターンに参加して、良かった点は何ですか。
A.C社は、グループディスカッションの際、社員の方が5人くらい待機していて、質問ボタンを押すと相談できるシステムが良かったです。E社は、開催日程が多く、1回あたりの参加者が10人くらいだったので、質問しやすかったです。また、司会・進行役が毎回同じ人だったので、コミュニケーションがとりやすく、満足度が高かったです。私は地方に住んでいるため、インターンの形式はリアルよりもオンラインが良かったです。リアルだと交通費や移動時間がかかるので参加するのが難しいですが、オンラインだと気軽に参加することができます。今回、興味のある企業に何度も参加することができて、担当者の方とも密にコミュニケーションがとれました。
Q.オンラインインターンに参加して、残念に感じた点は何ですか。
A.D社では、C社同様、質問ボタンのシステムがありましたが、社員の方が1人だったので、なかなか来てくれなかったのが少し残念でした。
Q. 企業選びの際に重視している点は何ですか。
A. 企業選びのポイントは、母国に限らず、海外に拠点があるかどうかです。また、日本語の中でも特に敬語は難しいので、入社したら日本語の研修が受けられる企業が良いです。
- オンラインインターンに参加した理系外国人留学生へのヒアリング調査 ③
ゴ ドウさん [中国]
●横浜国立大学 化学専攻 修士課程(2021年3月卒業)
大学では、画像解析による洗浄性評価について研究。化粧品に興味があり、日本の化粧品メーカーへの入社を希望し、就活を継続中。
●オンラインインターン参加実績(一部)
・F社:大手生活用品メーカー(1日、約30人)
・G社:大手化粧品メーカー(半日、約30名)
Q.卒業後の進路はどのように考えていますか。
A. 日本の企業に就職して、将来チャンスがあったら母国に戻ることも考えています。
Q.オンラインインターンに参加した理由を教えてください。
A.今回、インターンに参加したのは、業界や企業、業務への理解を深めること。そして、本選考の予行練習のためです。
Q.オンラインインターンでは、どのようなことをしましたか。
A.F社では、製品開発の模擬体験として、どのようなターゲットにどのような製品を開発したらよいのか、どのような実験で開発を行うべきかを考えました。G社では、研究職向けのインターンで、会社説明の後、30分程度のグループワークがあり、20年後の化粧品について話し合いました。
Q.オンラインインターンに参加して、良かった点は何ですか。
A.F社では、事前に送られた数種類のサンプルの香りを嗅いで、香りの体験をするなど、コロナ禍のインターンでも、状況に応じて人事担当者の方が色々工夫をしていたのがありがたかったです。
G社は、最初はあまり興味のなかった企業でしたが、オンラインで職場環境を見せてもらい、自分が働いているイメージができ、インターン参加後に志望度があがりました。
自分が本当に行きたい企業だったら、リアルで長期間のインターンが良いですが、業界研究の目的であれば、まずはオンラインで短期間のインターンで良いと思います。オンラインは気軽に参加できるのが良い点で、オンラインでも各社様々な工夫があり、学ぶことは多かったです。オンラインでも、社員の方と話すことで、現場で働く社員のイメージと自分の特徴に合うか確認することができました。
Q.オンラインインターンに参加して、残念に感じた点は何ですか。
A.G社では、研究員の方の自己紹介の後に、興味を持った方のオンラインルームに入って話す時間がありましたが、1つのルームしか入れなかったため、とても迷いました。研究内容や業務内容がそれぞれ違うので、多くの方の話を聞きたかったです。知らない人同士のグループワークは、リアルでも難しいですが、オンラインだとさらに難しいと感じました。
- 【会社概要】 株式会社オリジネーター(https://originator.co.jp/)
[代表者] 代表取締役 長谷部 裕樹 [設立] 2001年12月 [資本金] 1,000万円
[所在地] 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-19-12 monparte北参道6階
[主な事業内容] 外国人材採用支援事業 『リュウカツ®』https://www.ryugakusei.com/
[事業許可] 有料職業紹介事業許可番号 13-ユ-300900 一般労働者派遣事業許可番号 般13-ユ-302460